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足のアーチとは
人間の足の骨は、全体重を支え、バランスを取り、歩くために最適な構造をしています。それが「アーチ」と呼ばれる弓なり形状です。
レンガ材がびっしりと組み合わされ、積み上げられた半円状の橋を見たことはありませんか。あれがアーチのイメージです。
力学的にとても安定していると言われます。そして頑丈な構造です。
人間の足の骨もあのレンガ材のように、細かい骨がたくさん組み合わされてできています。いったい何個の骨で構成されていると思いますか。
かかとからつま先まで全部で26個の骨でできているそうです。(種子骨*と呼ばれるものを入れると28個になります。)全身の骨が約200個と言われているので、足の骨だけで全身の4分の1を占めていることになります。
それらは、かかと付近の比較的大きな骨からつま先の小さな骨まで、大小さまざまな形の骨が関節でつながり動くようになっています。
そして関節でつながれたその構造がまさに、「アーチ」を形成しているのです。
(*種子骨・・・腱や靭帯の方向を変える滑車のような働きをする小さな骨。母趾球の部分に2個あります。)
★3つのアーチ
足の骨が形成するアーチは3つあります。
横アーチ
内側縦アーチ
外側縦アーチ
の3つです。
横アーチとは、簡単に言うと親指の付け根から小指の付け根にわたるアーチです。
内側縦アーチとは、かかとから親指の付け根にかけてつくられるアーチです。土踏まずを形成します。
外側縦アーチとは、かかとから小指の付け根にかけてできるアーチです。
これら3つのアーチにより、人間は立ち上がって全体重を支え、バランスを取り、正常に歩くことが出来るのです。
★アーチの役割
- 体重を支える・・・石橋のアーチ構造と同じように重さを支える
- バネの役割・・・重心の移動をスムーズにして、地面の蹴り出しを助ける
- クッションの役割・・・着地した時の衝撃を吸収・緩和し分散させる
★アーチが崩れてしまうと・・・
アーチ本来の弓状のカタチが低下して平らになることを、アーチが「崩れる」「落ちる」と表現します。
アーチが崩れる原因
・・・アーチが崩れる原因には様々な要素があります。主な要素としては、
1, 加齢による筋力の低下
2, 体重の増加
3, 立ち仕事が多い
4, 姿勢が悪い
5, スポーツによる酷使 等
これらの原因によりアーチが崩れた状態になると、様々な障害が引き起こされます。
横のアーチが崩れると、開帳足*の状態となり外反母趾になりやすい、といわれます。また、前後の揺れを制御しきれずつまずきやすくなります。さらに、足指の付け根にタコ・ウオノメなどができやすくもなります。
内側縦アーチが崩れると、かかとが内側に倒れこんだ状態となり偏平足となります。このアーチは左右の揺れを制御するはたらきがあるので、ここが崩れると左右に体を揺らしながら歩くようになります。そして、クッション機能や筋肉を動かすポンプ機能が働かず疲れやすく、むくみやすくなります。
外側縦アーチが崩れると、バランスが取りにくくなりひざや腰に負担がかかるようになります。
(*開帳足・・・横アーチが崩れ平らになり、足指が横に広がってしまった状態の事)
★「足のアーチ」の重要性
足にアーチがあるのは人間だけ
・・・サルやチンパンジーにアーチはありません。彼らの足は足というより手に近い作りです。親指と他の指が手のように離れているので物をつかむことができます。確かにヒトと同じように立って歩きますが、安定していません。それは関節が柔らかく、骨がアーチ構造を形作れないからです。
足のアーチとは、人間が人間として直立二足歩行をするために最も重要な骨の構造の事なのです。
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